17.3. 無脊椎動物の主な門
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背骨のない動物
海綿動物
しかし遺伝学的な証拠から、複数の門に分かれていることが今では示唆されている
海綿動物は動かない動物であり、古代ギリシャ人は植物であると信じていあt
全動物の中で最も単純であり、おそらく群体性の原生生物から最も早く進化したと思われる 体長は1cm~2m
神経も筋肉ももたないが、個々の細胞が環境の変化を感じて反応することができる
カイメンの細胞層は細胞のゆるい連合体であり、組織とはいえない なぜなら細胞が比較的に特殊化していないから
9000種ほどあるカイメンのうち100種ほどが淡水性で残りは海生
カイメンの体はたくさん穴の開いた袋に似ている
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水は多数の小孔から中央の海面腔に引き込まれ、大きな開口部を通って外へ出る 襟細胞とよばれる細胞には鞭毛があり、それによって水流を起こす 襟最奥はバクテリアや他の食物粒を粘液で捕らえ、食作用によって細胞内に取り込む 遊走細胞というサビ王は襟細胞から餌を取り込んで消化し、栄養物を他の細胞に運ぶ カイメンの種によっては骨片は鋭くとげ状
他の種ではもっと柔らかく柔軟な骨格になっている
このように柔軟で蜂の巣状になった骨格はしばしば天然スポンジとして浴用や洗車用に使われる
刺胞動物
1万種ほどの刺胞動物のほとんどは海生
この腔のただ1つの開口部は口と肛門の両方の働きをする
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この基本的ボディプランには2つの形がある
移動しない
より大きな物体に付着して触手を伸ばし、獲物を待つ
浮遊する
ポリプを平らにして口を下にした変形版
受動的な漂流と鐘型の体の収縮とによって自由に動く
クラゲのあるものは直径2mの傘から100mを超える触手を垂れ下げる
刺胞動物は種によって一生片方の型で過ごすものと、生活環の中でクラゲ型の段階とポリプ型の段階の両方を経るものがある 刺胞動物は肉食で、口の周囲に並ぶ触手を使って獲物を捕らえ、それを胃水管腔に押し込み消化する
消化の残りは口/肛門から捨てる
触手は刺細胞という防御は餌の獲得にはたらく細胞の砲列によって武装されている
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軟体動物
軟体動物は柔らかい体をしているが、大部分のものは硬い殻によって守られている ナメクジ、イカおよびタコは小さくなった殻をもっていたり(ほとんどは体内に)、進化の過程で完全に殻を失ったりしている
餌をこすり取るやすりのような器官
すべての軟体動物は同様なボディプランをもっている
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体は3つの主要な部分からできている
普通は運動に使われる筋肉質の足
体内器官のほとんどを含む内蔵塊
ひだ状の組織
内蔵塊を覆い、殻がある場合は殻を分泌する
知られる限りで、9万3000種の軟体動物がいるが、そのほとんどは海生
主要なグループは3つ
大部分は、単一のらせん状の殻によって守られ、危険を感じたときは体を引っ込める
多くのマキガイには先端に眼のある触手がついた、はっきりとした頭部をもつ マキガイ類は海生、淡水性および陸生のものを含めて、現存の軟体動物の3/4を占める
殻は2枚に分かれ、ちょうつがいでつながっている
ニマイガイ類には歯舌はない
海生と淡水性の種があり、大部分は定住性で、足を使って砂や泥を掘り、その中に静止している
すべて海生であり、機敏で活発に動く体をもつという点でマキガイ類やニマイガイ類と異なる
大きくて重い殻をもつものもいるが、ほおんどは体内に小さな殻をもつ(イカ)か、全く殻を持たない(タコ) イカ類は大きな脳と精巧な感覚器官をもち、これらは彼らの動く捕食者としての成功に結びついている
彼らはくちばし状のあごと歯舌を使って獲物を噛み砕いたり、引き裂いたりする
口は足の付根にあり、足は何本かの長い触手になって伸びていて、獲物を捕らえ、つかむ
2004年になって初めて自然の生息地でのダイオウイカのビデオ記録が日本の動物学者によって得られた
扁形動物
左右相称の動物の中で最も単純なもの
リボン状の生き物で、体長は約1mm~約20mまでさまざま
大部分の扁形動物は開口部が1つだけの胃水管腔をもつ およそ2万種の扁形動物が海、淡水および陸上の湿ったところに生息している
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自由生活の扁形動物
胃水管腔が複雑に枝分かれしていて、その大きな表面積を栄養物の吸収に用いている
摂食時には筋肉質の管が口から突き出して餌を吸い込む
プラナリアは淡水の池や川の岩の下面に生息している
熱帯地方での主要な健康上の問題となっている
この生物は吸盤をもち、宿主の腸に近い血管の内側に付着する
腹部の激痛、貧血、下痢を伴う慢性の病気
毎年70ヶ国の約2億5000万人
ほとんどの条虫はとても長いリボン状の身体をしていて、同じ構造の繰り返しになっている
彼らは他の扁形動物と違って胃水管腔を持たない
宿主の腸の中の半分消化された食物に囲まれている彼らは、体表を通して栄養物を吸収するだけで済む
頭部には吸盤とかぎがあって、宿主の腸の内側に取り付く
頭の後ろには、ほとんど生殖器の袋といってよい単位がリボン状に連なっている
後端では数千の卵を持つ成熟した単位が破れ、糞とともに宿主を離れる
ヒトでは条虫の幼生を含む牛肉、豚肉、魚肉を充分加熱しないで食べることによって感染する
幼生は顕微鏡的なサイズだが、成体はヒトの腸の中で20mにも達する
このように大きな条虫は腸閉塞を起こしたり、宿主から栄養を奪うことで栄養障害の原因になる 幸い、薬の経口投与によって成体を殺すことができる
環形動物
体節とよばれる繰り返しの構造が体長に沿って連続している 体節は互いに融合した環の連続体のように見える
約1万6000種が存在し、体長は1mm以下から、オーストラリアの巨大ミミズの3mまでさまざま
環形動物は湿った土の中や海、そして最も多くは淡水中に生息している
環形動物は扁形動物を除く他のすべての左右相称動物と共通の2つの新機軸を打ち出している
口と肛門という2つの開口をもつ
完全な消化管は食物が特殊化したある消化器官から次の消化器官へと一定方向へ進むにつれて食べ物を処理し、栄養を吸収することができる
たとえば、ヒトでは口、胃、腸が消化器官として働く
中胚葉由来の組織によって完全に裏打ちされている
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すべての環形動物と同様に、外部的にも内部的にも体節に分かれている
内部構造の多くは、体節ごとに繰り返され、体腔は壁(体節間膜)によって仕切られている 神経系と排出器官は体節ごとに繰り返し構造がみられる
しかし、消化管は体節化せず、体節間膜を貫通して口から肛門までつながっている
血管も体節ごとに繰り返し構造があるが、1つの主心臓と5対の副心臓がある ミミズは土の中を進みながら土を食べ、含まれる栄養分を吸収する
消化されなかった残りは、消化管に分泌された粘液と混ざって糞として肛門から出される
農民や園芸家はミミズが土を耕し、糞が土質を改良してくれることを評価している
海生で、海底をはったり、穴をほったりして生活史ている
体節ごとにある、剛毛のある付属肢が、餌となる小さな無脊椎動物の探索に役立つ
また付属肢は表面積を増やすことによって、酸素の吸収や二酸化炭素などの老廃物の排出を助けている いくつかの種が吸血性で悪名高いが、大部分の種は自由生活の肉食者で、貝や昆虫などの小さな無脊椎動物を食べている いくつかの陸生種が熱帯地方の湿った植生中にいるが、大部分のヒルは淡水性
最も普通には、四肢や指の再結合手術の後での使用
このような場合動脈のほうが静脈よりも再結合しやすいために、再結合部位に血液がたまってしまい、回復中の組織から酸素を奪ってしまうから
医用ヒルは数百の小さな歯のついた刃のようなあごで皮膚に切れ目を入れる
そして麻酔物質と血液凝固阻害物質を含む唾液を分泌する
麻酔物質によって噛み傷はあまり傷まないし、血液凝固阻害物質の働きでヒルが余分な血を吸っている間、血液が固まることはない
線形動物
円筒形の身体で、通常は両端が先細りしている
線形動物はすべての動物中、最も多様で(種数において)最も広く分布しているものの1つ
約2万5000種が知られているが、実際にその10倍は存在すると考えられている
体長は約1mm~1m
その多きウハ水中や湿った土壌中で、あるいは植物や動物の体液や組織への寄生者として生活する
腐ったりんご1個には9万体の線形動物が含まれるし、1エーカーの表土には数十億が存在する
線形動物には植物の根に害を与える種も多く知られていて、農業における主要な有害生物になっている
少なくとも50種がヒトに寄生する
節足動物
動物学者は昆虫の個体数が10億の10億倍($ 10^{18})いると推定していて、これは人間1人あたり1億5000万個体に相当する
研究者はこれまで100万以上の種を同定していて、それの大部分は昆虫類である
実際のところ、科学的に記載された種の2/3は節足動物
種の多様性、分布、個体数を考えると、節足動物は最も成功した動物門とみなされるべきである
節足動物の一般的特徴
似たような体節が繰り返される環形動物とは対照的に、節足動物の体節とその付属肢はさまざまな機能に合うように特殊化している
この進化上の柔軟性が、節足動物の大きな多様化に貢献した
体節の特殊化によって、体の部分間の効率的な分業化が可能になった
たとえば異なる体節の付属肢は、歩行、摂食、感覚受容、遊泳、防御などに、様々に適応している
節足動物の体の外側にある骨格
外骨格は体のある部分では厚く硬くもなるし、他の部分では紙のように薄くしなやかにもなる
外骨格は動物を守り、また付属肢を動かす筋肉の付着点にもなる
体外の硬い覆いには、もちろん利点がある
我々自身の骨格は柔らかい組織の一番内側にあり、傷を防ぐ役にはあまり経っていない
しかし、我々の骨格は体の他の部分の成長に合わせて成長できる
それに対して節足動物は成長に伴って、ときどき古い外骨格を脱ぎ捨て、より大きな物を分泌しなければならない
脱皮の間は一時的に捕食者や他の危険に冒されやすくなる クモ類
ほとんどのクモ類は陸生
一般的にクモ類は4対の歩脚と特殊化した1対の摂食のための付属肢をもつ
クモではこの接触用の付属肢はきば状になっていて、毒腺がそなわっている クモはこの付属師で獲物を動けなくし、皮をはぎ、裂いた組織に消化液をまき、液状化したものを吸い上げる
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甲殻類
ほとんどは水生
彼らはすべて、節足動物の特徴である特殊化した複数対の付属肢をもっている
甲殻類の1グループである等脚類には陸生のものがいて、ダンゴムシは湿った落ち葉などの有機堆積物の下で見られる https://gyazo.com/849246ce7759024719d255ad2d5a11aa
ヤスデ類とムカデ類
体の大部分がよく似た形の体節でできているので、一見環形動物に似ているが、関節のある脚をもつことで節足動物であることがわかる
ヤスデ類は陸上生活者で、腐った植物質を食べている
体節ごとに2対の短い足を持つ
ムカデ類は陸生の肉食者
1対の毒牙をもち、それを防御のためや、ゴキブリ、ハエなどの獲物を麻痺させるために使っている 各体節には1対の足がある
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昆虫の構造
大部分は体が頭部、胸部、腹部の3つの部分からできている
頭部には通常1対の触覚と1対の眼がある
口器は食べ方の違いに適応している
バッタでは植物を噛むために、ハエでは液体をなめるために、カ(蚊)では突き刺して血を吸うために都合よくできている 昆虫の大部分の成虫には3対の脚と1対または2対の翅があり、これらはすべて胸部から出ている 地面を移動するしかない動物に比べて、飛ぶことのできる動物は、様々な捕食者から逃げるのも、餌や配偶者を見つけるのも、また新しい生息場所に広がることも、はるかに速く行うことができる
昆虫の羽は外骨格が延長したもので、付属肢が変形したものではないので、脚を犠牲にすることなく飛ぶことができる
それに対して飛ぶことのできる脊椎動物(鳥やコウモリ)は2対の脚のうちの1対が翼に変形しているので、地上ではあまり早く動けない 昆虫の多様性
種の多様性で言えば、昆虫は他のすべての生物を合わせても及ばないほど多様
昆虫類は陸上と淡水中のほとんどあらゆる生息場所で生活しているし、空中には飛ぶ昆虫が満ちている
海中には昆虫はまれで、ここでは甲殻類が優位な節足動物
最古の昆虫の化石は約4億年前のもので、その後飛行の進化によって多様化が爆発的に進んだ
バッタを含むいくつかの昆虫のグループでは、若い時期から成虫に似ているが、より小さく、身体のプロポーションが違っている
一連の脱皮を通して次第に成体に近い形になり、最後に成体になる
他のグループでは、うじ(ハエの幼生)や毛虫(チョウやガの幼生)などとよばれる、摂食や成長に特殊化した特有の幼生段階を持つ この養成段階は、分散や生殖に特殊化した成体段階とは全く異なった形態をしている
幼生から成体への変態はさなぎの時期に起きる
この処置は床ずれ、やけど、手術の傷、外傷などに対してよく行われるようになってきた
このハエの幼虫が分泌する酵素が死んだ、あるいは死にかけた組織だけを分解し、健康な組織には働かないため、安全で効率的 昆虫のような、多数で多様で広く分布している動物は、必然的にヒトを含むすべての他の陸上生物に様々な影響を与える
一方では、我々は農作物や果樹の受粉をハチ、ハエ、その他の昆虫に頼っている また、昆虫は農作物を食べるという点でヒトと食物を争っている
米国の農民は毎年数十億ドルを農薬のために使い、大量の殺虫剤を作物に散布している
棘皮動物
体表が棘で覆われていることから
約7000種いて、すべて海生
殆どの種は動くとしてもごくゆっくりと動く
食費動物には体節はなく、成体は放射相称であるものが覆い ヒトデは概観も内部構造も車輪のスポークのように中心から放射している
このことが、他の証拠とともに棘皮動物が刺胞動物のような放射相称動物とは近縁ではないことを示している
刺胞動物は左右相称を示すことは決してない
ほとんどの棘皮動物は表皮の下に体内の骨格をもつ
内骨格の隆起やとげが体表面をざらざらにした、あるいはとげとげしたものにしている
棘皮動物に特有
これは水で満たされた網目状の管で、体中に水を循環させてガス交換(O2を取り入れCO2を除去する)や老廃物の排出を促進する 先が吸盤状になった管足を用いて、ヒトでヤウには海底をゆっくりと移動する
ヒトデは摂食中に獲物を保持するのにも管足を使う
ヒトデや他の棘皮動物の成体をながめても、ヒトなどの脊椎動物との共通点は殆どないと思うかもしれない
しかし、棘皮動物は性きつい動物を含む脊索動物門と進化の枝を共有している 胚発生の解析によって棘皮動物と脊索動物は、軟体動物、扁形動物、環形動物、線形動物および節足動物を含む進化の枝とは区別することができる